医学の進歩により、重い病気から回復することが出来る高齢者が増加している。しかし、以前と同じような生活が出来るとは限らない。胃ろうやインシュリン治療、定期的なたんの吸入などが必要な人が自宅で暮らすということは、たとえ介護する家族がいても大変なものだ。そこで、医療ケアが充実している介護施設、介護医療院の存在が注目されているのだ。
今までも、介護療養型医療施設と呼ばれる病院に併設された施設は存在したが、それらの廃止に伴い、新しく創設されたのが介護医療院である。介護医療院には、医師が常駐しているため、利用者の急変にも迅速に対応できるというメリットがあり、核家族化や女性の社会進出が進んでいる日本では、今後も増えていくことが予想されている。
介護医療院での仕事は、一般的な介護施設とは異なる点も多い。例えば、食事はベッドで済ます利用者がほとんどであるため、食堂への移動介助などはする必要がない。他にも、毎日レクレーションなどが行われている介護施設とは違い、介護医療院はそういったサービスはほとんど行われてはいないのだ。
一般的な介護施設で働くというと、利用者と密に接する時間が多く、コミュニケーション力を問われる場合が多いが、介護医療院は病院での介護の延長線と考えられることも多く、淡々と仕事をこなすことが中心となるだろう。毎日の仕事を単調に感じられる、看護師補助に回ることが多いということは、デメリットに感じることがあるかもしれない。